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東京大学 生産技術研究所 物質・環境系部門 徳本研究室

研究内容RESEARCH

トポロジカル絶縁体中転位の物性開拓

トポロジカル絶縁体中転位の電気伝導

 トポロジカル絶縁体はバルクは絶縁体でありながら、端(三次元では表面)にヘリカルスピン偏極した特殊な金属状態が存在しています。 ここのような特殊な金属状態が三次元トポロジカル絶縁体の表面だけでなく、転位(結晶中の線状欠陥)においても存在し得ることが理論的に示されています。 当研究室では、トポロジカル絶縁体中転位の金属状態の実験的検証・評価のために、マイクロ・ナノスケールでの電気伝導測定に取り組んでいます。
 トポロジカル絶縁体中転位の金属状態を利用した技術展開として、熱電変換材料の高効率化が挙げられます。 熱電変換性能指数(ZT値)の向上のためには、熱伝導率が低く、かつ、電気伝導率が高いことが必要とされますが、これらは独立に制御できず、 一般に熱伝導率が低い場合は電気伝導率も低くなります。 これに対し、トポロジカル絶縁体中転位を利用すれば、転位伝導によって電気伝導度が上がり、一方、転位によるフォノン散乱によって熱伝導度が低く抑えられるため、 通常は相反する高い電気伝導度と低い熱伝導度を両立できるため、熱電変換性能指数の飛躍的な向上が期待されています。


トポロジカル絶縁体のバルク絶縁性向上

 トポロジカル絶縁体の表面や転位における特殊な金属状態を検出・抽出するために、バルクの電気伝導の寄与を減らすことが重要な課題の一つとなっています。 当研究室では、転位において特殊な金属状態が発現し得るトポロジカル絶縁体を対象とし、組成を緻密に制御することによりバルク絶縁性を向上させることに取り組んでいます。



                     
     
     

所在地

〒153-8505
東京都目黒区駒場4-6-1
東京大学 生産技術研究所 Fe-304